オーストラリアの地理

 

今日の講義における5つのポイント

1.オーストラリアの位置と大きさ

2.オーストラリアの人口

3.オーストラリアの行政組織と政治機構

4.オーストラリアの地理的特徴

5.オーストラリアの町や都市

 

1.オーストラリアの位置と大きさ

オーストラリアは南西太平洋地帯のインドネシアとパプアニューギニアの南に位置する。オーストラリアの最北端は、日本から約5,400kmのところにあり、ホームタウンであるメルボルンは日本から8,300kmである。緯度と経度によって地球上での位置が決まる。オーストラリアの地理的位置は南緯11°〜44°、東経113°〜154°で表される。日本は北緯24°〜46°、東経123°〜146°にある。オーストラリアは大陸サイズの国である。世界で国全体が大陸であるという国は一つしかない。オーストラリアは東西に約3,800km、南北に3,200kmの大きさである。オーストラリア全体の面積は7,682,300kuであるが、これは中国(9,561,000ku)、アメリカ(9,363,123ku)、インドネシア(1,919,270ku)、日本(372,313ku)、ドイツ(356,806ku)と比較すればわかりやすい。オーストラリアはアラスカ(7,748,000ku)を除いたアメリカとほぼ同じ大きさということである。

 

2.オーストラリアの人口

オーストラリアの人口は比較的少ない。大半の人々は沿岸から200km以内か、沿岸に住んでいる。1996年6月30日現在のオーストラリアの全人口は18,289,300人であった。これは東京、横浜、川崎の人口をあわせたものとほぼ同じである。また、その約92%がヨーロッパ系、約6%がアジア系、約2%が先住民であるアボリジニーやその他の民族という構成になっている。

 

3.オーストラリアの行政組織と政治機構

オーストラリアは連邦国家である。これは多くの州がオーストラリア連邦を造るために一つになったことを意味する。政治的権力は各州に等しく分配されている。オーストラリアの正式名称は、コモンウェールズ・オブ・オーストラリアという。オーストラリアの州とそれぞれの人口は以下の通り。

     州             大きさ        人口(1996年現在)

西オーストラリア        2,525,500ku         1,763,000

クイーンズランド        1,727,000ku         3,355,000

北準州             1,346,200ku          178,000

南オーストラリア         984,000ku         1,479,000

ニューサウスウェールズ      801,000ku         6,190,000

ヴィクトリア           227,600ku         4,541,000

タスマニア             67,800ku          473,000

中心準州              2,400ku          308,000

オーストラリア全土       7,682,300ku          18,289,000

その他の連邦国家にはアメリカ、マレーシア、カナダ、ドイツ、インドがある。

 

4.オーストラリアの地理的特徴

地理学者たちは、“地域”という概念を利用して世界を分類したり研究したりしている。例えば日本の研究において、関東・東北・近畿を地域と呼ぶようなものである。地域観念の定義は、環境における主な地理的特徴が類似していることである。また、地域とは経済組織が筋の通った特有な場所であるということもできる。

 

よく似た環境の下にあるオーストラリアの主要地域はa)ウエスタンプラトー(b)セントラルベイスン(c)イースタンハイランズ(d)コースタルプレインの4つに分類される。

 

a)ウエスタンプラトー:ウエスタンプラトー(盆地)というのは海抜において平らな地形のことである。オーストラリアのこの種の地域は、ほとんどの西オーストラリアと北準州、またクイーンズランドと南オーストラリアのわずかな部分を含んだ場所に見られる。それは地理学上オーストラリア大陸で最も古い部分である。また、いくつか山脈はあるが、それらは主に平らで海抜150〜600mにある。例えばアリススプリングの近くにあるマクドネル山脈や西オーストラリアのセントラルウエストにあるハマースレイ山脈がそれである。ウエスタンプラトーは鉄鉱石、銅、鉛、亜鉛、ニッケル、ウラン、金などの鉱物資源に富んでいる。ウエスタンプラトーの気候は1年を通してとても乾燥している。年間の平均降水量は200〜300mmしかない。しかし“平均”の降水量はそれほど当てにはならない。というのは、1回の嵐で100〜150mmの雨をもたらす時もあれば、その後8〜10ヶ月の間全く雨が降らない時もあるからである。

 

b)セントラルベイスン:セントラルベイスン(流域)とは川が水を溜める場所のことである。ごく一般的に小皿のような形をしている。オーストラリアのセントラルベイスン地帯は、クイーンズランド南西部、ニューサウスウェールズ西部、ヴィクトリア北西部、南オーストラリア北東部に見られる。セントラルベイスン地域は2つの河川流域からなる。北部の流域は、例えばフィンク川やディアマンティーナ川のようにエイル湖に流れている全ての川を含んでいる。エアー湖はオーストラリア大陸において最も低い場所にあり、海面下15、8mでオーストラリアの最も長い川である。この地域はまた、オーストラリアで最も重要な食糧生産の地域である。羊はその羊毛を育てるために草を食べさせられ、牛はその肉を育てるために飼育されている。マレーダーリンベイスンのある部分には、土地の灌漑のために川の水を使っているところもある。例えば、ヴィクトリア地方のシェパートンという町周辺ではトマトや緑黄色野菜、ピーチ、洋ナシ、ミルクやバターなどが生産され、ヴィクトリア地方北西部のミルドゥーラ周辺では、オレンジ、グレープ、ワインが作られ、ニューサウスウェールズ地方のグリフィス周辺では米が栽培されている。

 

c)イースタンハイランド:イースタンハイランド(高原)とは、高さの異なる山々の集まりを言うが、日本のアルプス山脈や北アメリカのロッキー山脈ほど険しい傾斜ではない。この地帯はオーストラリアの西部に位置し、そこにはタスマニアも含まれる。その地帯は海抜600〜1200mである。最も高い標高はオーストラリア南東部にあり、これはオーストラリアアルプスと呼ばれている。そのオーストラリアアルプスの一つのコシアズコという山は標高2228mで最も高い山である。また、金の採掘で重要な場所は、イースタンハイランドにおいて、ヴィクトリア地方のパララットとベンディーゴ、ニューサウスウェールズ地方のバサーストとソファラである。イースタンハイランドのいくつかの地域は、レクレーションや観光業において重要なところもある。例えばオーストラリアアルプスのスキーの名所では、ニューサウスウェールズ地方にあるコシアズコ山、ヴィクトリア地方にあるホッサム山やブラー山などが挙げられる。また、イースタンハイランズはシドニー西部のブルーマウンテンズ、メルボルン北東にあるヒーレスヴィルやマリスヴィル周辺、タスマニア中心部のクラドルマウンテン周辺はハイキングやちょっとした観光の名所でもある。

 

d)コースタルプレイン:コースタルプレイン(沿岸の平野)は、海の際とその反対側のちょっと高くなった場所との間の比較的平坦な地域のことである。オーストラリアの中で、コースタルプレインは大陸全体の沿岸に広がる限られた地帯で、平坦な地形かまたは低い丘や谷を持つ。オーストラリア人の大多数がこのコースタルプレインに住んでいる。また、オーストラリアのほとんど全ての大都市がコースタルプレインにある。コースタルプレインの環境は、クイーンズランド北東沿岸に見られる熱帯雨林やヤシの木などから最南端に見られる草原やユーカリの森に変わっていく。オーストラリアの南西、パース付近にあるコースタルプレインはとても狭く、砂漠地で、バンクシア(ヤマモガシ科の植物)や綿毛の花々など、色々な珍しいオーストラリアの植物が見られる。

 

5.オーストラリアの町や都市

“町”は約20,000人以下の人々が住む小さな場所のことをいい、“都市”はそれよりも大きい場所のことをいう。“郊外”は大都市の一部である。大都市は多くの郊外に分けられる。例えば私の大学であるディーキン大学は“バーウッド”と呼ばれるメルボルン郊外にある。オーストラリアの6人に5人は町や都市に住んでいる。ヨーロッパ人のオーストラリア定住は1788年に始まった。小さい町はイギリス人の移住者によって沿岸ぞいに開拓された。これらの小さな町は、今日オーストラリアにある大きい都市に成長した。それらの都市はオーストラリアが他の国々に羊毛、小麦、ビーフ、バター、砂糖などを輸出したことによって港になっていった。今それらは、産業、銀行業、財政、ショッピングや観光業における中心地でもある。以下に挙げる都市はオーストラリアの12大都市である。

     都市              人口 (1996年現在)

              シドニー               3,879,370

       メルボルン              3,283,014

       ブリスベン              1,520,596

       パース                1,295,132

       アデレード              1,079,184

       ニューキャッスル            463,679

       ゴールドコースト            354,232

       キャンベラ               344,848

       ウォロンゴング             255,736

       ギーロン                202,685

       ホバート                195,795

       サンシャインコースト          156,136

 

これらの都市をオーストラリアの地図で探してみると、その中の一つは沿岸にはない。それはどれか。なぜこの都市は特にこの国で重要なのか。

オーストラリアのいくつかの都市は計画を立てて形成された。例えばアデレードとメルボルンの市街地は、レクタルニアパターンを割り当てた計画によって作られた場所である。それらには長くまっすぐな道が多くあり、町の中心は緑地に囲まれている。キャンベラはアメリカの風景画のデザイナー、ウォルターバーリーグリフィンによって計画された都市である。グリフィンは町をその環境に合うように作った。町には等高線に基づいたカーブの道がたくさんあり、郊外には公園や庭園が設置されている。

 

シドニーは計画して作られた町ではなかった。中心部の道は、19世紀初期に馬車や荷馬車が通っていた跡に沿って作られている。シドニーへ続く主な道路は、シドニー湾に向かって下っている丘の稜線に基づいている。ゴールドコーストとサンシャインコースとは海岸線に沿ってリボンをいっぱいに伸ばしたように広がっている。

 

オーストラリアの町に住む大多数の人々は一軒家に住む。これは彼らが庭に囲まれた家に住んでいるということを意味する。1995年には、大都市メルボルン全ての居住者の76.1%、シドニーで66.5%、パースでは78.2%がそのような一軒家に住んでいた。住宅の種類は町の人口密度を測定するのに役立つ。それはふつう1ヘクタールごとの人々の数で表される。メルボルンの都市部の平均は16である。東京の人口密度は1ヘクタールにつき106、ヨーロッパのアムステルダムでは51、ニューヨークの中心マンハッタンでは217である。メルボルンの都市部がとても広範囲にまで及んでいるのは低い人口密度のためだ。メルボルンの北端のクレイジーバーンから南のフランクトンまでの距離は67kmで、西端のタラマリーンから東端のリリーデールまでは48kmある。地価の高い建築地に高層ビルや住居用のアパートが建てられているのは、唯一それらの地域かその周辺だけである。これらは広大なオーストラリアの都市や町の中心部に、目立ったスカイラインを映し出す。